墓じまいとは
最近、墓じまいという言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。
墓じまいとは、現在あるお墓からご遺骨を取り出して、墓石を撤去して更地に戻し、寺院や霊園の管理者に敷地を返すことをいいます。
墓じまいが増えている理由
最近、墓じまいをする方や墓じまいを検討する方が増えています。これはライフスタイルの変化による影響が大きく関係していると考えられます。
●少子高齢化や核家族化に伴い、お墓を承継できる後継者がいない
●お墓が遠い、足腰に不安があるなどの理由で、お墓参りができない
●後継者はいるが、お墓の管理などの負担をかけたくない
墓じまいの流れ
墓じまいをするには、様々な手続きや作業をする必要があり、時間や労力そして費用もかかります。
1.意思決定
親族、関係者の同意を得て、寺院や霊園の管理者に墓じまいすることを伝えます。
2.行政手続き
墓じまいのあと、取り出したご遺骨を永代供養墓などに移す場合は、改葬許可の申請手続きが必要になります。
3.墓じまい
お墓から一度魂を抜いて閉眼供養を行った後、ご遺骨を取り出します。その後、お墓の解体工事を行い、石材を撤去した後、敷地を更地に戻します。そして、永代使用権を墓地管理者に返納します。
4.取り出したご遺骨の供養
取り出したご遺骨は新しい安置場所に移す必要があります。
ご遺骨の新しい安置場所について
墓じまいをして、取り出したご遺骨は新しい安置場所に移す必要があります。墓じまいをする方の理由にもよりますが、後継者がいない、もしくは後継者に負担をかけたくないという主な理由を考慮すると、年間維持費など将来にわたる費用がかからず、管理の必要もない方法を選ぶとよいでしょう。
・永代供養墓
寺院や霊園が永代にわたって管理、供養するお墓のことをいいます。最初から合祀する場合と、期限を定めて個別の骨壷のまま収蔵し、後で合祀する場合があります。合祀(ごうし)とは、血縁のありなしに関わらず複数の方のご遺骨をまとめて埋葬法する方法です。個別の墓石はありませんが、供養墓はあるため、供養する方がいる間はお墓参りをすることもできます。
・散骨
ご遺骨を粉末状にした後に、海や山や空などにそのまま撒く葬送方法です。自然に還りたい方や、想い出の土地に眠りたいという方にはおすすめです。ただし、墓標の代わりになるものはないため、供養する方がいる間でも、一般的なお墓参りをするという感覚は得難いかもしれません。
・樹木葬
霊園の敷地や自然の山や木、草花の下に遺骨を埋葬する方法です。散骨と同様に、自然に還りたい方や、思い出の土地に眠りたいという方にはおすすめです。墓標の代わりなる木や草花があるため、供養する方がいる間はお墓参りをすることもできます。
・手元供養する
手元供養が可能な間は、手元供養をしてもよいでしょう。しかし、供養する人がいなくなった時のことを考えて準備しておく必要があります。