深刻な墓じまいの悩みと相談すべき場所について

墓じまいをしようとすると、親族間でトラブルが起きやすいので注意が必要です。人によって、墓に対する考え方に温度差があるので、勝手に墓じまいすると、思わぬトラブルが発生することがあります。特に若い人と高齢者では墓に対する想い入れが違うので、墓じまいをする前に十分に話し合う必要があります。ところで、墓じまいで悩んだら、どこに相談すればいいのでしょうか。
 

墓じまいの相談場所

上記で説明しましたように、墓については人によって考え方が違うので、墓じまいするといろんなトラブルが発生します。主にトラブルとなるのは、兄弟間であったり親子間なので、身内だと遠慮がないだけに、一度トラブルになると激化して手がつけられなくなります。また、墓じまいをすると、従来の墓の考え方に固執する、近所の人の心証が悪くなるということもあります。

つまり、世間体が悪くなるということです。「先祖代々の墓は、どんなに遠くても子孫が守っていくべきもの」という考えが、特に高齢者の中には根強くあります。墓じまいをするには、このような古い考え方と衝突することになるので、じっくり時間をかけて話し合う必要があります。また、これまでお世話になっていた、寺とのトラブルも少なくないようです。

寺が墓じまいに難色をしめしたり、離檀料として高い金額を請求されることもあります。しかし、寺側の事情を考えると、寺が簡単に納得しないのもわかります。一旦墓じまいを認めると、次々と檀家が墓じまいして、離れていく可能性もあるからです。

親族間にしろ寺との問題にしろ、墓じまいでトラブルになったら、最終的には弁護士に頼むしかないのが実情です。トラブルが小さいうちなら、友人や近所の人が入ってまとめることもできますが、話がこじれてしまうと法的な解決しか方法がなくなります。

墓じまいしたい側には、墓じまいするしかない切実な事情があります。反対する親族には、そのような切実な事情よりも、古くからのしきたりに固執していることが多いのです。この2つがぶつかって自分の意見を主張すると、いつまでたっても平行線のままなので、法的な判断を仰ぐしかなくなるのです。
 

墓じまいに多い相談

墓じまいで多い相談とはどんな内容でしょうか。

墓が遠い

墓じまいで多いのが、実家が遠くて先祖代々の墓を守るのが大変というものです。そこで、墓を移すために最初に行うのが墓じまいなのです。しかし、ほとんどの人は墓じまいについて何も知りません。そのため、墓じまいで何をどうするのか、費用はどれくらいかかるのかなど、初歩的な質問も少なくないようです。

子供に負担をかけたくない

墓を継ぐのは金銭的にも時間的、距離的にも、子供に大きな負担をかけることになります。親自身も同じことを経験しているので、子供に同じ苦労をさせたくないという親心で、墓じまいする人もいます。少し前までは、「墓を守るのは長男の務め」「子供が墓を継ぐのは当たり前」という考えがあり、誰もそれが当たり前と思っていました。それというのも、昔は長男がすべての財産を引き継ぐので、親の面倒を見たり墓を守るのは当然のことでしたが、今の法律では親の財産は兄弟で平等に分けることになっています。

それなのに、墓を守るのは「長男の義務」というのでは、長男はたまったものではありません。また、交通機関の発達もあり、子供たちが昔では考えられないほど、遠方で暮らすことも珍しくなくなりました。実家を遠く離れれば、墓を守るのが困難になるのは当然のことです。このような、時代の変化や考え方が変わったことによって、墓を取り巻く環境も大きく変わってきています。

墓の継承者がいない

子供のいない夫婦など、墓を守る継承者がいない場合は、将来無縁仏になってしまうため、今のうちに墓じまいして、永代供養してくれる寺や霊園などに、先祖の遺骨を預けるケースも増えています。

親族間のトラブル

墓じまいで一番深刻なのが、親族間のトラブルでしょう。前述しましたように、墓の問題はデリケートな上に、身内だと遠慮がないため、激しい口論になることも少なくありません。そのため、最初のうちは友人や近所の人が仲裁に入っても、最終的には法律で解決するほかなくなるケースも多いようです。また、地方に実家がある人で、子供が都会で暮らしている場合は、都会と地方の価値観の違いなどによって、墓に対する確執が露骨に出ることもあります。

つまり、地方に住む高齢者の昔ながらの考え方と、都会に住む若い人の考え方のギャップが原因で起こるトラブルです。このように、墓に関するトラブルが起こるのは、墓の存在が人々が考える以上に、精神面で大きな比重をしめているからです。特に若い人などは、普段は先祖や墓に対する想い入れはほとんどなく、自分自身もそんなものに執着する気持ちはないと、思っていることが多いものです。

しかし、いざ先祖から代々受け継いできた墓がなくなるとなると、まるで心の支えを失ったような気がして、どうしていいかわからなくなります。そこで、何が何でも墓じまいに反対するようになります。これが、親族間の大きなトラブルの原因となっています。

最初に墓地を作ったのは、かの有名な大岡越前です。墓地ができるまでは、家族が亡くなると家の隅に穴を掘って埋葬していました。その風習を野蛮と考えた、大岡越前の号令によって全国各地に墓地が作られ、亡くなった人はそこに埋葬されるようになりました。このときから、墓地は先祖から受け継いだ大切なもので、子々孫々まで守っていくべきものという考えが生まれたのです。しかし、時代の多様化とともに、墓に対する考え方も変わる時期にきているので、現代は墓に対する旧態依然とした考えと、新しい考え方がぶつかる時代でもあるのです。
 

墓じまいのトラブルをなくすには

上記でも少し触れましたが、墓に関する問題は、日本人のアイデンティティに深く刻み込まれているので、お互いの考えを理解し合うのはかなり困難です。そのため、親族に墓じまいの話を切り出して、すんなり了解してもらえることはまずないと言っていいでしょう。墓じまいのトラブルをなくすのはまず不可能ですが、トラブルを少なくすることはできます。

それには、「墓に対する問題は非常に根深い」ことを理解して、事に当たることが大切です。「先祖代々の墓をなくすなんてとんでもない」という考えは、高齢者に多いと思いがちですが、実は若い人にも意外に多いのです。つまり、「先祖代々の墓は、多くの日本人の心の拠り所」なのです。このことを念頭において話をするのと、そうでないのとでは、結果が大きく違ってくることは間違いありません。

墓じまいをする側は、墓じまいするしかない状況を抱えているので、その窮状を訴えることばかりを考えてしまいます。しかし、それでは他の親族の理解を得られないばかりでなく、「身勝手だ」とか「都会に出た者はこうだ」などという誹りを受けることになります。これでは、親族間に大きな禍根を残すことになるので、墓じまいは簡単に了解してもらえないと考えて、長期戦を覚悟で説得にあたることが肝心です。
 

まとめ

墓じまいをするには、事前に親族とよく話し合って了解してもらうことが大切です。そうしないと、後々トラブルの元になります。しかし、墓に対する考え方はさまざまなので、簡単に折り合いがつくものではありません。墓じまいの話をする場合は、お互いの意見を尊重し、長期戦を覚悟で臨むようにしましょう。そのほうが、遠回りに見えても実際は一番の近道になります。親族間で折り合いがつかず決裂するようであれば、法律によって解決するしかないので、弁護士に相談することをおすすめします。
 

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